2013年08月20日

『西の魔女が死んだ』4回目

 何度読んでも良い物語です。

 梨木香歩さんの小説には、「丁寧に暮らす」ひとが必ず登場します。この場合は、おばあちゃん(=魔女)。植物などの自然・身の回りの日用品・思い出・信念・・・・・・・。そういうものを大事にしながらきちんとした生活をを、急がず流されずに営んでいます。作者もたぶん、日常の小さな出来事とか古い道具や習慣とか人の心の繊細な部分とかを慈しむように日々を過ごすような方なんだと思います。更に梨木さんの文章が魅力的なのは、選び抜かれた言葉たちが無駄なく嫌味なく静かにきらきらと輝いていることです。日本語への愛情を感じます。

 不登校の少女が「西の魔女」と呼ばれる英国人ハーフのおばあちゃんの家で「魔女修行」を通して成長する話。あらすじはそういうことですが、ディティールを噛み締めて読んで頂きたい。一行たりとも省略出来るところが有りません。『星の王子さま』同様に「この本を、寝そべってたりなんかして、読んでもらいたくない」のです。

 私がよりこの本に引き込まれるのは、主人公のまいと彼女を取り巻く環境に共通する部分を見るからでもあります。
 いじめには逢っていませんが学校へ行かなかった時期が有りますし、おばあちゃんっ子でしたし、西(近いけど)に外国生まれの日本人の老婦人もいました。夏休みにはその魔女?の家に何度か泊まりました。祖母も魔女も植物好きで色々教わったのです。

 何年か前に同小説は映画化されましたが、実はまだ観ていません。繰り返し読んだ今なら、原作と印象が違っても受け容れられそう。そろそろ観てみようかな。撮影に使われた魔女の家は見に行ったことがありますが、こちらは完璧なくらい原作に忠実でした。

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 文庫本は新潮文庫、単行本は小学館。文庫は、後日譚の『渡りの一日』が収録されているのでおすすめ。赤毛のアンでいうところのダイアナ・バーリーのような「腹心の友」的な子が登場する、清々しい短編です。
posted by MIKA at 10:18| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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